主として消化管に原因不明の炎症を起こす慢性疾患の総称であり、具体的には潰瘍性大腸炎とクローン病の2疾患を指します。近年、日本でも若年層を中心に患者が急増しています。
両疾患とも厚生労働省の特定疾患治療研究の対象疾患となるような難病ですが、近年は研究が進み適切な治療を施すことで病状コントロールが可能な患者さんが増えております。
この度、札幌市南部には数少ないIBD診療を専門的に行うセンターを開設する運びとなりました。
当センターには、長年IBD診療に携わってきた専門医が2名在籍しており診療にあたっています。
潰瘍性大腸炎・クローン病ともに病勢をコントロールし良い状態(寛解状態)を長くたもつことが大切であり、定期的な通院と治療の継続が重要になります。
そういった面から札幌市南部にお住いの患者様を中心に、良質な医療を提供できるセンターを目指し邁進していきたいと考えています。
少しでも気になる症状お持ちの方は、是非一度受診されることをオススメします。
IBDセンター センター長
岡本 耕太郎
潰瘍性大腸炎ではおもに大腸の粘膜が侵され、びらんや潰瘍が形成されます。
特徴的な症状は、腹痛・下痢・体重減少・下血・粘血便です。
患者数は30歳代で最多ですが、高齢者の患者さんも見られます。長期経過例では発がんリスクが高く、精密な内視鏡検査も必要になってきます。
潰瘍性大腸炎と異なりクローン病では口腔から肛門まで消化管のどの部位にも炎症や潰瘍が生じ得ます。
症状は腹痛・下痢・体重減少・微熱に加え、特徴的な肛門病変が認められる場合があります。
10歳代〜20歳代の若年での症状が多く認められ、男性の比率が高い傾向になります。
IBDセンター センター長
岡本 耕太郎谷口 雅人